- 彗の家出 0
- サンタさんにほしいものは?って聞かれたので、姉がいない生活、と答えた。
トオクさん :「……大丈夫です、そのうちきっちり」
- 2007年のクリスマスの情景 5
- 家出した彗。
居なくていい私なんて要らない。居ていい私でいたいんだ。
- 彗の家出 1
- その直後、灰太に遭い、泊めてもらう。
灰太 :「親兄弟との確執ってのとは縁のない人生送ってきたんで、
:気の利いたことは言ってやれねえけど。いつだって力になるぜ」
- 彗の家出 2
- 翌日の夕方。灰太と話す。千沙紀と一緒に進学をがんばることに。
千沙紀 :「うん……だから、オレも応援する。一緒に頑張ろう?
:……正直、すごく不安だけど……でも、一人じゃないよ」
- 彗の家出 3
- 街で謎の男と会う。灰太が、戦うとはどういうことか語るも、それは彗の深い闇を掘り起こしただけだった。
彗 :「……仲村渠くんの言うこと、わかる、わかるんだ、頭じゃ
:わかる……わかるけど、そうだね、って……言えない……
:納得してない……どうして、どうして、私、どうかしてる、
:わかってるのに! 分かってるのに……」
- 彗の家出 4
- 幹也と再会。彼との会話で、要らない子でなくなるとはどういうことかを自分なりに再確認する。謎の男、オースティンと再会。彼の甘言は彗の闇をどんどん表に引き出していく。
幹也 :「だから俺は、親に会ったら一発殴る。それから礼を言う」
男? :「君が抑圧されることも脅かされることもない、誰一人
:そんな権利はもたないさ」
- 彗の家出 5
- 冬休みに突入後、音信不通になっていた空音。現実に戻ってきた時、事態は。
空音 :(着信1秒で直電)
:「トオクにいかがわしいことをしたら生きていくのが嫌に
:なるまでいじりぬく」
- 彗の家出 6
- 忘れ物をとりにこっそり部屋に戻った彗。そこで遭遇した箭内海松に、取り押さえられてしまう。
箭内 :「さって、どうしよっかな。お姉さんに会いたい? それ
:とも……もうちょっと遊ぼっか……」
- 彗の家出 7
- 悔し涙を流す彗の前に、ハワードが現れる。足りないものは何か。その問いに力、と答えようとしたとき。
彗 :「力、です……それがあるから……あの人は、ずっと、ずっと
:……私の上に居る……私には、それが無い……」
ハワード :「圧倒する力? 叩き伏せる力? ……あるいは滅殺する力?」
空音 :「ありがとう? おかしなことを言うわね。私はトオクに
:今は何もしないことを強制してるの。言い換えればそう」
空音 :「三が日はうちに監禁するから覚悟するように」
- 彗の家出 8
- 神終の家での、一時の安らぎ。
空音 :「はい、トオクー、お着替えしましょうねー」
:(普段からは想像できないような猫撫で声)
- 彗の家出 9
- 恐怖と嫌悪が、彗の闇をより深く、濃くし、さらに表に引きずり出した。
彗@夢の中 :「あははははは、ばかみたい、っていうか、ばか、マジで
:バカ……あははははは、なに悩んで、家出とかして、そんで
:こんな女に……あははははは」
- 彗の家出 10
- 彗の闇が開放され、箭内を瀕死の状態に。
黒トオク :「これだけなの?(張る) 何分も経ってない!(張る)
:答えろ、答えろ……答えろって言ってんの!(張る)」
- 彗の家出 11
- 魔書の影響で衰弱している彗の眼前に鬼姉が。魔書は鬼姉の手に渡り──
千沙紀 :「辛い時に力になれるように、がんばるから。だから、彗さん
:……あんな本に頼って力に溺れちゃだめだ」
空音 :「トオクはさ、私の前でいい子でいようとする必要ないん
:だから。もっと口汚く愚痴言ってもいいんだから──何で
:こんなになるまで何も言わないの、バカ」
- 彗の家出 12
- 独りじゃなかった。全身でそれを理解した。だからきっと大丈夫。
空音 :「つまらないことに拘り過ぎだよ、トオク。それともトオクは
:私がそれほどケチに見えるかい」
彗 :「ご、ごめん……ソラネは……ケチじゃない。どっちかって
:いうと、太っ腹」
空音 :「太っ腹……」
- 彗の家出 13
- 姉との決別はあまりにもあっさりとしていた。
ハワード :「君の内に秘めたもの、それは確かに君自身の念であり、
:君の陰たる自分」
彗 :「……はい」
ハワード :「それを封じ込め、抑圧し続けてきた……それが君の歪み」
- 彗の家出 終
- 夢と引き替えに自由を得た。
眞由美 :「ううん、いいのよ……残念なことに変わりはないけれど、
:彗さんがそれほどの覚悟を決めて家を出ると決めたのなら」