クカラチャ
数多く存在する吸血鬼の一氏族の一つで、16世紀頃に発生したとされる。
「復元の呪い」と呼ばれる非常に強力な再生能力を備えるが、それ以外には特筆すべき能力を持たない。
氏族の構成員の大多数が社会的な弱者や社会の規範から外れた者達であることに加え、過去に氏族の始祖が犯した罪により、他の氏族からは卑賤な氏族としてみなされている。
解説
復元の呪い
クカラチャ族に属する吸血鬼はほぼ全員がきわめて強い肉体復元能力を持っており、一説には、その肉体を完全に灰になるまで燃やしてから儀式によって清めた後、その灰を残らず流水に流さない限りは完全に滅びないと言われている。
ただし、肉体の再生には相応の生命エネルギーが必要となり、体内に蓄えてある生命エネルギーが尽きることにより、再生は一旦停止する。
なお、再生能力は高くとも日の光で焼け焦げる点は他の血族の吸血鬼と変わらない。
恐怖感の欠落
クカラチャ氏族に迎え入れられた者は代償として恐怖感を欠落し、いかなる場合においても(たとえ陽光下であっても)恐怖を感じることがなくなる。
恐怖により自らを律することが出来なくなるため、吸血鬼となった後に快楽を求め、様々な凶悪犯罪に走る者は少なくない。
氏族の掟
- 一.定命の者であったときの記憶を忘れてはならない。
- 一.みだりに人の目に触れてはならない。
- 一.常に記憶の中の恐怖を想起せよ。
- 一.かりそめの命を繋ぐ以上に血潮を求めてはならない。
- 一.汝の血の親と兄弟達を敬え。
- 一.『原罪』を忘れてはならない。
- 一.『滅び』を見つめよ。其は常に汝の隣に横たわる。
- 一.上の掟を念頭に置きつつ、この世の全ては道楽であると心得よ。
吹利市にいる氏族構成員
- 佐上銀二
- 白鞘の日本刀を携えた日本人青年の姿の吸血鬼。享年20歳くらい。白い少女奪還の為に活動していた。
今後は浚われてシンシアデバイスに変換されたシンシア・クロフォードを取り戻す為に行動することに。 - アイリーン・ラウ
- 中国系アメリカ人の少女で、銀二と血の親を同じくする「妹」に当たる。暗器使いで生前はチャイニーズマフィアの凶手だった。享年16歳くらい。
- 白い少女
- クカラチャ氏族の始祖たる少女。狂乱し無意味な殺戮を繰り返した末、「子」の手によって灰にされた。現在、遺灰は盗まれて人攫い曲技団の狂気の人体改造師モローの手に渡り、擬似再生者を生み出すための材料となっている。
→円卓の手により返された。 - シンシア・クロフォード
- 白い少女の灰を手に入れたモローの手により捕らえられたクカラチャの女性。享年17歳。生前はダウンタウンの不良娘。無限の卵の素体であり、経験蓄積の生体ライブラリサーバとして利用されている。
→円卓の手により救出された。
しかし、またしても負の遺産を受け継ぐ者達の手に落ちてしまう。
その他の氏族構成員
- フェデリコ・マウロ・イ・ゴヤ
- 白い少女が直接作った継嗣。元はスペインからメキシコに訪れていた軍人であり、きわめて短い間ではあったものの、白い少女が人間だった頃には彼女の教育係も務めていた。後に白い少女のによって吸血鬼とされるも、狂乱に酔いしれ殺戮を繰り返す彼女を滅ぼした。外見年齢は30代半ばほど。丹念に撫で付けた髪と口髭がトレードマーク。生前は敬虔なカトリックの信徒であり、不死者となった現在でも銀のロザリオを肌身離さず実に付けている(基本的にクカラチャ氏族は十字架や銀製品に対する脆弱さは持っていない)。
- (名称未定)
- フェデリコの「孫」で銀二とアイリーンの「父」。壊れて凶行を繰り返した末、粛清された。遺灰は再生出来ぬように清められ、分割されて海や河川に流された。
- マイク・パーカー
- アフリカ系とラテン系のクォーター(父親がアフリカ系、母親がアフリカ系とラテン系のハーフ)で、生前はニューヨーク市警察の刑事だった。
協力者
- 「妖婆」イゾベル
- 妖婆(crone)の異名で知られる魔女。真っ黒のローブのフードを目深に下ろし、しわがれ声で喋るが、見た目は漆黒の髪と透けるような白い肌の10代半ば程度の少女の姿。表向きには放浪時代にフェデリコが作った「子」ということになっているが、フェデリコに抱擁された時点で既に数百年の年月を生きていたという。罪の意識と吸血鬼としての衝動に苛まれていたフェデリコに教えを授けた。魔女術に加え、無生物に血を与えることで一種のゴーレムに作り変える能力を持つ。見た目は小娘、中身はババァのいわゆるロリババァ。
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