角田書店

角田書店 (つぬだ・しょてん)

近鉄吹利駅南口より南に道なりに徒歩一分の所にある、大型書店。

明治34年に元士族の角田龍乃進(つぬだ・りゅうのしん)によって創業された。開業当初は他の書店同様に古本も扱い出版も行なうタイプの書店であったが、商才にたけた婿養子の角田武雄(たけお)により、販売部門と出版部門に分離された。出版部門は現在の角田出版である。

昭和18年に共産主義的文書を闇で売ったとの疑いにより、民本主義者の残党であった店主角田文雄(ふみお)が政治犯として逮捕されたために一時休業となったものの、戦後になって文雄の釈放と同時に店を再開した。

戦後の本の買えない時期には貸し本ブームなどのなか販売専業で貸し出しをしない角田書店は苦しい思いをし、一時期は不渡りさえ出したものの、貸し本で儲けを出していた角田出版から資本援助を受けたことなどから何とか立ち直り、高度成長期の出版ブームを利用して吹利県内をはじめとする各所にチェーン展開を行なうなど、若い角田達彦(たつひこ)社長の革新的な経営で拡大。吹利駅前にある本店は吹利最大の(文具などを扱わない)専門書店として知られるようになった。

昭和58年に当時計画準備中であった文化学術研究都市計画に先行対応すべく店舗をビル化し、全国でも5階建ての現代的大書店となった。

現在では吹利県内に五ヶ所、その他の近畿圏内に四ヶ所のチェーン店を展開している。

ただ最近は本店が大学近郊に作られた巨大な郊外型書店にやや押され気味となっており、角田達彦の次の一手が注目されている。

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