リュドヴィック・ド・イル
リュドヴィック・ド・イル (Ludovic=De=Il)
二十前後の外見のフランス人の青年。白磁の肌と暗い金の瞳の輝きは本来持つ気品を窺わせるが、どこまでも痩せ衰えた肉体がそれを打ち消している。
愛称はルド。ルドは血を呑むことを拒んだ吸血鬼である。遠い昔交わした恋人との約束をひたすらに守りつづけ、そのために父をも殺した吸血鬼の逆徒である。父殺しの後、追手から逃れて故郷より遠く離れた日本の地に流れ着いたルドは、ほとぼりが冷めるまでとしばしの眠りにつく。そして目覚めて現在。ルドは幾人かの従者や九十九松虫らと共に、再建した居城で密やかに暮らしている。頑に断血の誓いを守りながら。