ザ・ホテル 扉の向こうに隠された世界
ザ・ホテル 扉の向こうに隠された世界
ロンドンの最高級ホテル、クラリッジ・ホテルをモデルに、ホテルの裏方の日常を描く。
韓国大統領の宿泊警備と、クウェートの首長による女王を招待しての晩餐会という、大がかりな仕事の準備を主軸に、細々とした宿泊者のエピソードを交えて、ホテルの裏方の仕事を詳述。
内幕ものとしてみっちりした取材(五ヶ月滞在)を元に書かれたもので、色んな側面から高級ホテルの内実が示されて興味ぶかい。
- 著
- ジェフリー・ロビンソン
- 訳
- 春日倫子
世界的な超高級ホテル・クラリッジに五カ月間滞在した著者が、伝統と格式を守り続けるホテルマンたちの姿をある時は正面からある時は裏側から見つめる。ホテルマンたちは閉ざされた扉の向こう側でどんな苦労をしているのか。
用語や登場人物
- 用語や人名
- 解説
メモ
- 原題は THE HOTEL - Upstairs, Downstairs In A Secret World
- ここは超高級で、夜間の来客は御断りであり、ロビーなどに夜の女がたむろしていることはないとかかいてあったり。つまり普通のホテルでは、そういうのはサービスのうちと。
- 古い伝統を持つホテルの改革ものとしての側面もあります。
- 支配人は分野別や夜間など色々いまして、各地の(各国の)ホテルで経歴を積んで引き抜かれてという流れで頂点を目指すもののようです。
- 総支配人はホテル学校をでたあと、料理人やウェイターやフロント係などの下積みも経験しながら、現在の地位を得た。
- 昔はメイドたちはホテル内に部屋を持っていたが、経費節減で追い出された。
- 警察犬が宿泊者の部屋もちゃんとチェックして、アメリカ人は「女王陛下が来るので」といわれると「土産話ができた」とみんな喜ぶとか書いてある。
- 事前にエレベータのシャフトやなんかまで全部総ざらえで検査して、なぜか従業員の財布なども出てきたとかいうエピソードもありました。
- 夜に若い女性がリムジンで男に送らせてきて、自動車の料金などは男に支払わせてるあいだに、自分は部屋にさっさと戻って、宿泊となっていないお客様は夜間にあがれないということで、おいてけぼりを喰らった男は泣く泣く帰るとか。
- 料理人とウェイターの対立とかね。運びやすいものを優先して注文するように誘導してるとか、チップを得やすいようにわがままを言わせるので料理が手間取りコストがかかるとか。
- 宿泊客が接待に使いたいと「象を調達できないか」という相談を受ける話とか。
- 「トランクのものをすべて部屋に運んでくれ」といわれた入りたてのポーターの話とか。客が部屋にはいると、手荷物と一緒に、ジャッキやスペアタイヤが待ちかまえていたという次第。