X'mas
X'masとは
エックスマス。クリスマスに似た日本の年中行事のひとつ。
ごちそうを食べてどんちゃん騒ぎをしたり、高価な贈り物を交換したり、恋人と会ったりする習慣がある。近年は家や公共施設をびかびかに電飾する風習も見られる。
時期が一致するためクリスマスと混同されやすいが、宗教的行事というよりは、むしろ都市における商業的祝祭の意味合いが強い。
起源と意味
いまでこそアルファベットを使ってX'masと表記されているが、かつてはメマス(めます)、×枡(かけます)など様々な表記の揺れがあった。
大晦日の掛け取りを終え、無事に新年を迎えられる状態になったことを祝う商家の行事『〆ます』が、エックスマスの遠い起源であるといわれる。
『〆ます』においては、一年間使用した計量用の升を奉書で包んで水引を十文字にかけ、支払いの済んだ証文とともに、常緑樹(樅、杉なども使うが、門松を切り出した松の枝の残りを立てた米俵に刺して使うのが本来の形)にかけて宴席に飾った。
この飾りは、その年の商取引が終わったことを示すとともに、それらの道具類の労をねぎらい供養する意味があったと考えられている。
また、この祭りにおいて、主人から奉公人へ、そして奉公人から主人へと、年内の働きに感謝する意味での贈り物をする習慣があった。もともとの贈り物の中身は、小箱に詰めた菓子や、新年に履くための新品の足袋などのささやかなものであったが、年を追うごとにその内容は豪華になり、洋装の普及によって足袋は靴下に変わって、現在のように靴下に贈り物を詰める形態が生まれたとされる。