日本家屋
四季により温度湿度が変化する日本の気候に適応する為さまざまな工夫が施された建築形式。以下のような素材で構成される。 特に6月、9月前後の多雨時期には湿度が上昇する為、多湿な環境を快適に過ごせるようにとの工夫が随所に見られる。
玄関
ある程度の広さの土間を設け、『三和土(たたき)』と呼ぶ。 三和土は土に石灰、水などを練りこみ、叩き固めて作る。
入り口は横開きの板戸が基本。扉の場合には雨水の侵入を防ぐために、外開きになる。
外壁
葦などので編んだ網に藁等の植物繊維を混ぜた土を塗り、その上から 漆喰などを塗る。 土の持つ湿度調整機能により屋内の湿度が適度に保たれる。
伝統的な日本家屋では、一部の壁を除くと室内外を問わず部屋は可動式の障子や襖や戸板により区切られており、取り外して開けた空間にすることができる。
廊下
多くの場合、板敷きである。
回り廊下が元来のもので、中廊下は明治に発生して大正昭和に普及し、戦後のマンションで定着した概念。
座敷
住人が日常的に使用する下座敷、仏壇などが置かれ来客を通す為の上座敷などがあり、畳敷きが一般的。
本来の続き間構造では、玄関から待機用の下座である次の間に客は案内され、上座である座敷で座敷飾り(床の間、違い棚、付書院)を背にして帳台構えを前にして主人が迎えるようになっている。
縁側
家屋の中で日当たりの良い側に作られる事が多い。猫、老人はこの場所を極めてよく好む。
浴室
昔は屋内での火の使用を嫌い、母屋から離れた離れに浴室を作るところも多かった。 西欧のシャワー等と違い、湯船にたっぷり湯を張り、全身で浸かる方式を取る。
家屋構成要素
書籍紹介
- 「間取り」の世界地図 間取りの変化の意外な歴史。