過去なき娘
「たぶん、小さい頃……これ、大好きで、よく食べてた。それで……たぶん、最期に、これ食べたいなあって……思いながら、死んだって」
移ろわぬ者ふたりより、淡蒲萄の台詞
80年余りに渡って、記憶の殆どをもたないまま過ごしてきた吸血鬼、淡蒲萄。大切に思える人々との出会いから、己の過去を少しずつ思い出すようになっていく。
用語や登場人物
- 淡蒲萄
- 女子高生の姿をした吸血鬼。記憶が殆どなく、それを当然として80年程過ごしてきた。大沢那琴とつきあい始めたばかり。
- 片桐壮平
- 不死身になったばかりの刑事。淡蒲萄にとっては父親的存在でもあり、同じ不死者として、相棒とも呼べる存在。
- 大沢那琴
- 水に敵対する高校生。真っ直ぐ。淡蒲萄とつきあい始めたばかり。
- 西海道アハト
- 淡蒲萄の部屋に彼女連れで居候している、元聖ローリエ騎士団の上級騎士。